生まれつきの赤い痣:単純性血管腫

私の右足のふくらはぎには生まれつき痣がある。手のひら程の赤い痣。Instagramにその写真を投稿した。「#単純性血管腫」と「#porwinestain」日本語と英語、二種類のハッシュタグをつけて投稿した。

「#単純性血管腫」で他にどんな投稿があるのか見てみると、小さな子供たちの写真がほとんど。特にレーザー治療の経過を投稿しているものが多い。レーザー治療には痛みが伴うと聞く。「消してあげたい」という親御さんの気持ちも伝わってきて胸が痛む。

私の母も私の痣を消そうと考えたことがあった。私が子供の頃は今のようにレーザーでなく、皮膚を移植する手術しかなかった。お尻の皮膚を痣の上に縫いつけると聞いて「そこまでしなきゃならないならこのままでいい」と思ったし、母にもそう伝えた。しばらくしてレーザーで消せると知ったときは、その金額に驚いて「そんなにかかるならこのままでいい」と思った。

思春期にはそれなりに思い悩んだこともあるけれど、今はもう自分の一部として認めている。思春期には悩みがつきもの。足の痣はそのひとつにすぎない。背の高さや顔の大きさや髪質で悩むのと同じことだ。
 
たまに「それ、どうしたの?」と聞かれることがある。ケガや火傷と間違われているんだと思う。「生まれつきなの」と答えると、相手は悪いことを聞いちゃったなというような表情を一瞬見せる。私は気にしていないし、痣のことを聞かれるのはいつものことで慣れているけれど、相手が申し訳ない気持ちになることが少し悲しい。

Instagramで「#porwinestain」と英名で検索すると、日本とは違って大人の写真が多い。そのほとんどが自撮りだ。自分の身体や顔の痣を撮影して投稿している。そこには、ありのままの自分を受け入れている人たちの生き生きとした姿がある。私はとても共感を覚える。あのとき母の思いに従わず、消さずにいた足の痣を誇らしく思う。
 
誰かにとって違和感があることでも、自分が自分らしさとして受け入れているのなら自信を持つことが大事だと思う。それが生まれつきなら尚のことだ。

 

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